俺がまだ中学生だったころから、
小十郎さんは俺と二人っきりのときは頭撫でてきたり膝の上に乗せてくれたりすることが多かった
だから小十郎さんは、スキンシップが好きなんだとおもったのが10年前、
誰にでもすると思って綱元さんに話したらビックリされたのが9年前、
何かスキンシップの内容に変化が出てきたな〜と思い始めたのが5年前、
ぶっちゃけ一線越えちゃったのが4年前……
そんな小十郎さんは伊達家の警護担当チームのリーダー兼、秘書らしいです
…でもって、俺の恋人です
今じゃもう、夫婦的な意味でネタにされるくらいには周知の事実です
とはいっても住んでる場所が場所だからどこでもいちゃついてたりしてないけどね?
*another first contact*
伊達家本家
一般人の俺がいるのもおかしい感じのこの大邸宅に、
住み込みでお世話になって早10年
色々あって片倉小十郎さんという人の部屋に転がり込んだ俺は、
今もそのまま同居中だったりする
(セミダブルのベッドに170センチ超えの男が二人で寝ている図ってのはとてもシュールだと思うあと狭いでも何故か落ち着く)
で、一応ワケあり?の俺を保護して、
かつなんか養って…というか雇用してくれてる伊達家ってのは
ここら辺の地主だったり、当主の輝宗様が物流会社社長だったりする
簡単に言えば金持ち
そんな伊達家は、肩書きの割にとても気さくで、
輝宗様の奥様である義姫様は実年齢より精神がものすごく若いせいなのかは知らないけど、
お茶会や食事会を主催しては近隣の方や非番の職員を巻き込んではしゃいでらっしゃる
で、そんな義姫様が今夜食事会を開くことにした、と言い出した
「食事会、ですか……?」
「そう、食事会既に小十郎さんには迎えに行くよう言っておいたの
さんも今日は来客があるってことで頭に入れておいてね」
今日こそは莉駒ちゃんも連れてきてもらうんだから、
と微笑みながらも拳を握る奥様に苦笑交じりに了解して見せた
「莉駒ちゃん」とはどうやら政宗様の大切な方らしく、
隠匿癖のある政宗様は毎回何かしらの理由をつけて連れて来てくださらないそうだ
実は男性、だということしか予備知識のない俺からするといささか対応に困るのだけれど…
***
「……あ、帰ってきた」
夕方、守衛の人から連絡が入ったので玄関口まで政宗様を迎えに行った
「おかえりまさいませ、政宗様」
車から降りてきた政宗様にそう声をかければ、
案の定嫌そうな顔をしながら口を開いた
「今更畏まるなよ、お前にそういう対応とられると蕁麻疹でそうだぜ……」
「そう言われましても……私も小十郎さんと同じく伊達家に仕える身ですから」
わざと困った顔をしながら小十郎さんに一瞬視線をやれば、
小十郎さんもこっちをみていたから目が合った
そして小さく溜息を吐いてから口を挟んできた
「…政宗様、にも立場がありますので…」
「あ〜ハイハイ、んじゃ小十郎とかしかいないときは今までどおりにしとけよ、
お前は俺等からしたら兄弟みたいなもんだからな…」
とん、と肩を軽く殴ってきた政宗様は悪戯っ子みたいな笑顔を一瞬見せた
昔から、俺がこの笑顔にだけは逆らえないのを知ってて繰り返し使ってくる
まったくもって質が悪い、政宗様も、成実様も愛様も
ホント、敵わない
「……了解、おかえり政宗」
「Good、それで良い……っと、そういやは莉駒に初めて会うんだよな?」
「そうですね、ご挨拶しても?」
「良いぜ…Come莉駒、紹介する」
車のドアと政宗様に隠れるように立っていた少年を呼んだ政宗様は
後ろからその少年を抱えるようにして俺に向き直った
若干挙動不審気味な少年は綺麗な黒髪と、青と黒の綺麗な瞳をしていた
「莉駒、この金茶のGolden Retrieverみたいなのが『上林』だ
デカイけど怖くはないからな?
…で、綺麗なオッドアイの可愛いKittyが『武田莉駒』
…噂だけならお袋辺りから聞いてるんだろ?」
政宗様はどことなく自慢げに莉駒様を紹介してきた
そんな政宗様に頷いて見せてから、
膝を着いて莉駒様より低い視線になってから改めて自己紹介する
「…はじめまして、莉駒様
只今紹介に預かりました、上林と申します
政宗様のご実家で10年ほど前からお世話になっております」
「あ…えと、武田莉駒です」
はじめまして、と小さく言いながらお辞儀をした莉駒様の可愛らしさに
思わず笑みがこぼれてしまっていたらしい
ほんの少しだけ機嫌を悪くさせた政宗様に睨まれてしまった
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まぁ、こんなかんじで小十郎にも相手がいたりとかいなかったりとか←
息抜きものなので続くかはほかのどの駄文よりわからないです
あと変換項目増やすのもあれなのでこれはずっとシークレット扱いです